塩分は体の調子を整えてくれる大切な栄養分「ミネラル」のひとつです。
その中に多く含まれているのが「ナトリウム」。
このナトリウムが大きな働きを果たしているので、
塩分が不足すると、ナトリウムも不足して、体に不調がでてきます。
じつは、意外なことに塩分が不足すると、眠気も起こるという話が!
一見、塩分不足と眠気って関係なさそうに思えますが、じつは体のしくみにとても深く関係しています。
この記事では、塩分不足と眠気について、どのような関係があるのか?
どのような不調が起こるのか?
これから詳しく説明していきます。
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もくじ
塩分不足で眠くなる原因とは
どうして塩分不足で眠気が起こるのでしょうか?
そのしくみについてわかりやすく説明をします。
じつは塩分というのは、体の動きや免疫に関わる神経の伝達に深く関係しています。
塩分が極端に不足してしまうと、筋肉の異常や意識障害、精神障害につながって、それがきっかけで眠気が引き起こされることがあるようです。
もっと詳しく説明すると・・・・
①自律神経の乱れによる眠気
塩分不足が原因で神経の伝達に不具合が起きる、ということは先ほどお伝えしましたが、それによって、自律神経の機能も崩れるのだそうです。
自律神経が崩れると、少しのことで落ち込んでしまったり、ストレスを抱えやすくなります。
強いストレスが脳にかかりすぎると、自律神経のバランス自体がくずれてしまう、これが自律神経失調症です。
こうなると、バランスの崩れた自律神経が不眠を引き起こしてしまいます。
余談ですが、不眠は、かなりつらいです(泣)
私は、数年精神的な病気をしていましたが、その時の食生活がとんでもなく酷いものでした。(1日1食摂っているような摂れていないような日々が数年・・・)
もちろん、栄養なんてほとんど摂れていなかったので、塩分不足にもなっていたでしょう(笑)
そのせいもあってか、自律神経は乱れまくり、同時に不眠症も経験していました。
これはほんっとーーーにつらい!!!
夜は眠りたいのに眠れない、なのに朝から仕事に行かなくちゃいけない。
ベッドに入って羊を数えても数えても寝付けなくて、いつの間にか2時、3時、、、と時計の針は進んでいく。
ようやくウトウトしたと思ったらパッとまた目が覚めて、針は4時を指している・・・。
夜眠れていないので、当たり前に日中の眠気がすごい。
通勤時に睡魔に襲われ追突事故を起こしたり、仕事はデスクワークでしたが、勝手に寝てしまって椅子から転げ落ちることも・・・・
話を戻しますと、塩分は、自律神経を整える働きもあるので、不足しすぎるとこのようなひどい眠気につながる!ということです。
②意識障害・精神障害による眠気
「え!?塩分不足と精神障害って、関係あるの??」と、ちょっと意外かも知れませんね。
塩分不足でナトリウムが不足して神経の伝達に不具合が起きます。
そうすると、急に訳の分からないことを言い出したり興奮したりする精神錯乱状態が起きます。
また、嗜眠(しみん)という寝たきりの状態に近い意識を失った状態になったり、悪化すると全く目が覚めない昏睡に陥ることも!!
塩分不足でこんなに危険な状態にもなるんですね!
うつ病へも影響する可能性があるようなので、驚きです。
塩分不足で起こる体の不調は?
ここで少し、塩分不足で起こる体の不調はどんなものがあるか、塩分が不足してなぜそのような不調が起こるのかを、簡単に説明していきます。
・お肌の荒れ
・だるさ、食欲がなくなる
・筋肉の異常
・意識障害・精神障害が起こる
普段、体の中の塩分濃度は一定に保たれていますが、塩分が不足するとそれに合わせて汗や尿と一緒に体の中からナトリウムが排出されてしまいます。
体の中のナトリウムの量が減ったので、水分の量も減らして、塩分の濃度を調整しようします。
が、そうすると体の中全体の水分の量は少なくなってしまいます。
それは、血液や体液などの量が少なくなる、ということにもつながります。
ということは??
塩分不足で起こる体の不調のひとつとして挙げている「めまいやふらつき(貧血)」はなぜ起こるか?その原因は、なんとなくわかりますね。
そうです!
血液が不足するからですね!
詳しくいうと、血液の量が少なくなれば、脳への酸素が十分にいきわたらなくなり、めまいやふらつきが起こる・・・というわけです。
つまり、”塩分と水分は体の調子を整えるのに深く関係している”のです。
水分が不足したから水を飲もう!と、ただの水をガブガブ飲むとかえって危険な状態になる可能性があります。
たとえば、夏場のスポーツの後や大量に汗をかいたときは水分を一気に飲んでしまうことってありますよね?
実はこれ、とっても危険なんです!
水分を補給しようと一度にたくさんの水分を摂りすぎると、
体の中の塩分の濃度が急に薄まってしまいます。
そうすると、体の動きや免疫にも関わる神経の伝達に不具合が起きてしまいます。
それは、筋肉の異常や意識障害、精神障害につながります。
このように、塩分不足がきっかけで体に不調が起こり、そこから眠気が起きることがある、というわけです。
また、塩分不足で頭痛が起こることもあるようです。
詳しくはこちら
>>塩分不足で頭痛が起こったワケ。私は塩分摂りすぎ!?それとも足りない!?
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塩分不足による眠気を疑った方がいいケースとは?
熱中症
熱中症の症状はめまいやたちくらみ、体がぐったりして力が入らない、吐き気、頭痛などがありますが、眠気が現れることがあります。
じつは熱中症での眠気は、かなり重症レベル!
意識障害が起こり始めている、というサインらしいです。
眠気が起きて、意識がもうろうとしてくると、呼びかけにも応じなくなります。
そうなると救急車を呼んで病院に搬送してもらう必要があるんだそうです。
熱中症対策としては、水分補給だけではなく、塩分補給もとても大事なんですね。
高熱による発汗
風邪をひいて熱が出ると、いっぱい汗をかきますよね?
汗といっしょに体から塩分が失われます。
ここで普通の水やお茶を飲んだだけでは、体の中の塩分濃度が低くなるだけです。
すると体は本能的に、それ以上塩分濃度が低くならないようにと、「もう水は要らないよーー!」と、さらに体の外へ出そうとし、水分の吸収を抑えてしまいます。
なので、いくら水分を摂っても体には吸収されにくくなり、脱水症状につながります。
脱水症状の初期の段階では、自覚症状は少なくて体がだるかったり、頭痛がしたり、軽い眠気がみられるようになります。
これが重症になると意識がもうろうとする意識障害につながり、医者に診てもらわないといけないような危険な状態に陥ります。
下痢や嘔吐による塩分不足
下痢や嘔吐をすると、体の中のナトリウムなどが一緒に排出されてしまいます。
しかし、水分補給せねば!とさらに水を飲んでしまうことで血液の中の塩分濃度が薄まり、神経の伝達に不具合が起きて、けいれんや意識障害が起きます。
眠気が強まって意識がもうろうとしてきたら、これまた危険な状態になるわけですね。
塩分不足による眠気に襲われやすいのはどんな人?
こどもや高齢者
高温多湿な環境の中で、体の中の水分や塩分のバランスが崩れたり、体内に熱がこもり体温調整機能がうまく働かないと熱中症になります。
こどもや高齢者の方は、この体温調整機能が未発達だったり低下していたりするので、熱がこもりやすくなり、熱中症になりやすいようです。
自覚症状も低いので、知らない間に眠気に襲われ、意識が遠のいてしまい危険な状態になる恐れがあるので、まわりがよく注意してみていないといけませんね!
妊婦
お腹の中の赤ちゃんは体温が高いので、それと同時に妊婦さんも体温が高くなります。
そのうえ、妊婦さんが体の中から奪われる水分の量は、一般女性の1.5倍だと言われています。
妊娠していないときと同じような感覚でいると、脱水症状に陥りやすくなるんですね。
アラサーの私ですが、いつかする(予定の)妊娠のために知っておいてよかった!!(笑)
妊娠した時には、水分と塩分補給をしっかりしましょう!
ダイエット中の人
食事制限をすることで塩分が不足し、体に必要なミネラルなどが摂れなくなると、貧血のような症状や、体がしびれたりすることがあります。
また、運動などを取り入れて余計に汗などを流していると、体の中のナトリウムが減って脱水症状が起きたり、筋肉がひきつりやすくなります。
悪いケースでは精神的にも疲労を感じたり、自律神経が乱れ、不眠症やうつ病にもつながることがあるそうなので、ダイエット中の塩分不足には要注意です!
塩分不足による眠気を解消するには!
正しい塩分量を摂る
これまでお伝えしたように、塩分が不足しすぎると、体の不調は続出してしまいます。
そうならないようにするためには、正しく塩分を摂る必要があります。
厚生労働省が目安としている1日の塩分摂取量は健康的な成人の場合・・・
・男性:8.0g未満
・女性:7.0g未満
(2015年4月)
となっています。
例えば・・・
お味噌汁1杯 | 1~1.2g |
ラーメン1杯 | 5~6g |
焼肉定食 | 6g |
ほどの塩分量があるそうです。
栄養バランスのとれた食事をする
日本人は、塩分摂取量が多い!と言われているらしく、「減塩」に対する意識や商品などが増えてきています。
上で例えた塩分量を見てもわかるように、塩分って意外とすぐ摂れてしまいます。
なので、普通に食事をしていれば、塩分不足になることはあまりないはずです。
例えば、朝食はご飯、お味噌汁、焼き魚、ヨーグルト、だったり、夕食はご飯と豚肉の生姜焼き、サラダ、などよくある家庭料理で大丈夫ではないでしょうか。
朝からカレー、昼は焼肉定食、夜はラーメン&炒飯、、、なんてメニューだとさすがに塩分量は多くなりすぎでしょうけど(笑)
しかし、やたら「減塩!減塩!」と、過度に減塩してしまうと、かえって体調を崩すきっかけを作ることになります。
なんでも”適度”がポイントですね。
お昼に焼肉定食を食べたなら、夜はもっと塩分控えめなものを意識して食べるとか、ラーメンはスープは飲まずに残す、、、とか。
塩分にしろ糖分にしろ、摂りすぎ、控えすぎは避けて、栄養バランスを考えた食事をすることが大事ですね!
水分補給の仕方には注意する
運動やサウナ、風邪等でたくさん汗をかいた時は、普通の水やお茶だけではなく塩分も摂ることが重要!
ということは先ほどから口をすっぱくしてお伝えしてきましたね!
水分が不足すると塩分も不足する、ということをしっかり注意して、水だけではなく、スポーツドリンクや経口補水液で塩分を補給するようにしましょう!
例えば、運動をして大量に汗をかいているときなら、15分ごとに100mlか30分ごとに200mlのスポーツドリンクを飲むようにすると良いですよ。
まとめ
・熱中症や発熱による脱水症状、下痢や嘔吐、過度なダイエットによる塩分不足で眠気が起こるときには、けっこう重症レベル!!
・1日の塩分摂取量の目安としては、男性8.0g未満、女性7.0g未満とされている。
・塩分量を正しく摂るための食事のポイントは、ご飯を中心として肉や魚、野菜、大豆製品、乳製品などをバランスよく食べること!ラーメンなどのスープはあまり飲まないようにする。
・運動などで大量に汗をかいたときには、15分ごとに100ml、または30分ごとに200mlのスポーツドリンクを飲んで、塩分不足にならないように気を付ける
塩分不足を回避して、健康な自分でいられるように心がけましょう。
こちらもどうぞ!
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